【レビュー】TANCHJIM OLA

【レビュー】TANCHJIM OLA
メーカーTANCHJIM
機種名OLA
価格帯※約6千円
※購入店舗や購入時期により価格が異なるため、あくまでも参考情報としてご覧ください。

このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。

スペック

イヤホンタイプカナル型
ドライバDD(10mm)
再生周波数帯域7Hz〜45kHz
感度(出力音圧レベル)126bB
インピーダンス16Ω
ジャック径3.5mmアンバランス
リケーブル0.78mm2pin

周波数特性

※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。

周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。

超高音20kHz以上
高音2kHz~20kHz
中音250Hz~5kHz
低音100Hz~300Hz
重低音50Hz~100Hz
超低音50Hz以下
※人間の可聴域:20Hz~20kHz

イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。

女性ボーカル800Hz~900Hz
男性ボーカル600Hz~700Hz
ピアノ40Hz〜6kHz
パイプオルガン16Hz〜10kHz
ギター165Hz~1.3kHz
バイオリン196Hz~2kHz
チェロ65Hz~659Hz
コントラバス49Hz~233Hz
アルトサックス146Hz~880Hz
テナーサックス110Hz~660Hz

今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。

※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。

低域の50Hz付近と高域の2kHz付近にピークのある、概ねフラット傾向のイヤホンです。

音の傾向

※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。

高音煌めきを感じられ、響きの良い高音です。
刺さりはないのですが、その副作用かスネアドラムやバイオリンの高音で唐突に弱々しさを感じることがありました。
中音ボーカルは前に出ており綺麗に聞こえます。
低音周波数特性に反して中高域よりおとなしい印象ですが重低音までしっかりなります。
超低域はかなりおとなしくなるため、JAZZベースの低域では満足感が得られましたがパイプオルガンでは物足りなさを感じました。
音場
音像
それなりの広さを感じます。
楽器毎にしっかり分かれて定位します。
繊細さ
迫力
低域から高域まで満遍なく良好な解像度を感じます。
アタック感があり迫力を楽しむことができますが、高音や超低音で弱々しさを感じるため迫力を求める場合には音源を選びます。

使用感その他

※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

とても小さく、樹脂とアルミでできているため軽量です。
小型軽量なうえシュア掛け装着となるため、装着感は良好です。
柔らかく、あまり表面の抵抗がない取り回しの良いケーブルです。
ケーブルは皮膜が半透明になっており中の線材が透けているのですが、線材の巻き方がカッコ良く、おしゃれに感じました。

まとめ

高音と超低音で弱々しさを感じるため音域を気にする必要がありますが、一般的なボーカル曲のリスニングでは高い満足感が得られる思います。
適度な解像度とアタック感があり、静かな曲から賑やかな曲まで楽しむことができます。

当記事で使用した個体特有の問題かもしれませんが、初期ケーブルの特性もあってか開封直後は低音がほとんど出ておらずスカスカに感じました。 初期ケーブルは銀メッキケーブルなのですが、純銅ケーブルに交換したところ低音が太くなりバランスが改善されました。
また20時間以上鳴らし込んだところ初期ケーブルでもバランスが改善されましたので、もし当該機種の出音に不満がある場合にはお試しください。

音域のスウィートスポットを意識しておけば、コストパフォーマンスに優れた機種だと思います。
中国の各社から安価なケーブルが多数販売されており、数百円からリケーブルを楽しむこともできますので、リケーブル入門機としてもいかがでしょうか。