【レビュー】Shure SE315

【レビュー】Shure SE315
メーカーShure
機種名SE315
価格帯※約2万円(メーカー終売品)
※購入店舗や購入時期により価格が異なるため、あくまでも参考情報としてご覧ください。

このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。

スペック

イヤホンタイプカナル型
ドライバBA
再生周波数帯域22Hz〜18.5kHz
感度(出力音圧レベル)116bB
インピーダンス27Ω
ジャック径3.5mmアンバランス
リケーブルMMCX

周波数特性

※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。

周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。

超高音20kHz以上
高音2kHz~20kHz
中音250Hz~5kHz
低音100Hz~300Hz
重低音50Hz~100Hz
超低音50Hz以下
※人間の可聴域:20Hz~20kHz

イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。

女性ボーカル800Hz~900Hz
男性ボーカル600Hz~700Hz
ピアノ40Hz〜6kHz
パイプオルガン16Hz〜10kHz
ギター165Hz~1.3kHz
バイオリン196Hz~2kHz
チェロ65Hz~659Hz
コントラバス49Hz~233Hz
アルトサックス146Hz~880Hz
テナーサックス110Hz~660Hz

今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。

※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。

高域側の2kHz付近に小さなピークのある、ほぼフラットなイヤホンです。

音の傾向

※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。

高音透明感のある伸びやかな音です。
音痩せはなく艶を感じる高域で、煌めきを感じますが刺さりはほとんどありませんでした。
中音透明感のある明瞭な音です。
低音解像度の高いくっきりした音です。
重低音までしっかり出ておりチェロやJAZZベースでは満足感を得られましたが、パイプオルガンの低域では音が軽く物足りなさを感じました。
音場
音像
音像は近めですが、音像の境界はくっきりしており楽器がしっかり分かれて定位します。
繊細さ
迫力
高域から低域まで解像度が高く、繊細な表現もしっかり感じることができます。
打ち込み系の楽曲では気になりませんでしたが、演奏を録音した楽曲ではドラムのアタック感が軽く感じ、ややスカスカした印象を受けました。

使用感その他

※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

耳への収まりに優れた形状の小型イヤホンです。
樹脂製のシンプルなデザインの筐体で、高級感はありませんが安っぽさもありません。
呼び名の由来でもありますがシュア掛けでの装着を前提とした作りとなっており、装着中に動いても外れたりタッチノイズが大きすぎるということもありませんでした。
標準ケーブルはかなりしっかりした頑丈な物ですが、内部の針金で耳に固定するタイプのため装着感・取り回しの好みは分かれそうです。

一般的なイヤホンと比較して音道管が細いこともありシェルは外圧への強度が低く、ごろ寝使用中の脱落や誤って上に座ることによってシェルが修復不可能なレベルで破壊される事例を多く見かけるためご注意ください。

まとめ

透明感のある明瞭な音で、用途を選ばずに使えるバランスのイヤホンです。
演奏はややあっさり目に表現され、音の傾向はSE215 Special EditionよりもSE215に近い印象でした。

スッキリした音色の良いイヤホンだと思いますが、下位モデルのSE215シリーズに人気が奪われてしまったのか、元が約2万円にも関わらず状態の良い中古品が安価に出回っているのを見かけることがあります。
すでに終売した商品ですが、中古品のコストパフォーマンスが高いのでお金をかけずに音質の良いイヤホンをお探しの方にオススメです。

なお中古品を購入した際、SEシリーズ全般に言えることですがアルコールを使用して清掃するとシェルの油分が抜けて白く濁ってしまうのでご注意ください。
もし濁ってしまったらベビーオイルを少量つけたティッシュなどで磨くと透明度・光沢が戻る可能性がありますので、自己責任とはなりますがよろしければお試しください。