【レビュー】水月雨(MOONDROP) 蘭 – LAN

【レビュー】水月雨(MOONDROP) 蘭 – LAN
メーカー水月雨(MOONDROP)
機種名蘭 – LAN
価格帯※約7千円
※購入店舗や購入時期により価格が異なるため、あくまでも参考情報としてご覧ください。

このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。

スペック

イヤホンタイプカナル型
ドライバDD(10mm)
再生周波数帯域20Hz〜20kHz
感度(出力音圧レベル)120bB
インピーダンス32Ω
ジャック径3.5mmアンバランス
リケーブル0.78mm2pin(埋め込み)

周波数特性

※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。

周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。

超高音20kHz以上
高音2kHz~20kHz
中音250Hz~5kHz
低音100Hz~300Hz
重低音50Hz~100Hz
超低音50Hz以下
※人間の可聴域:20Hz~20kHz

イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。

女性ボーカル800Hz~900Hz
男性ボーカル600Hz~700Hz
ピアノ40Hz〜6kHz
パイプオルガン16Hz〜10kHz
ギター165Hz~1.3kHz
バイオリン196Hz~2kHz
チェロ65Hz~659Hz
コントラバス49Hz~233Hz
アルトサックス146Hz~880Hz
テナーサックス110Hz~660Hz

今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。

※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。

低域の40Hz付近と高域の2.5kHz付近にピークのあるややドンシャリ傾向な概ねフラットのイヤホンです。

音の傾向

※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。

高音伸び伸びと抜け感のある高域ですが、刺激は抑え気味で刺さりはありません。
響き・余韻は自然に出ており、音痩せは感じませんでした。
中音自然なバランスで、ボーカルは聞き取りやすいと感じました。
繊細な表現が得意なようで、ボーカルの歌い方に注視して聴きたい場合には向いたイヤホンかもしれません。
低音重低音までしっかり綺麗に表現されますが、バランスとしてはあっさりした印象です。
音場
音像
音場は左右に広く、イヤホンによっては耳元でやかましく演奏されているように感じる楽曲でも、すこし距離に余裕を感じました。
繊細さ
迫力
解像度は高いものの、刺激が抑えられておりまろやかな印象の音です。
アタック感は特別強くも弱くもなく、また音像とは別の意味で全体的に離れたところで演奏されている曲を聴いているような低刺激な出音のため没入して迫力を楽しむタイプのイヤホンではないと感じました。

使用感その他

※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

小型・シンプルな形状で装着感は良好です。
金属筐体ですが小型のため重量は気にならないと思います。
上品で落ち着いたデザインの金属筐体で、安価なイヤホンにも関わらず高級感を感じます。
シュア掛け前提の形状となっており、ケーブルのタッチノイズはほとんど気になりません。

まとめ

どんな曲でもさっぱり鳴らす使いやすいイヤホンですが、その反面音楽に没入して楽しみたいシーンでは物足りなさを感じるかもしれません。
一歩引いた様な演奏に聞こえるためにぎやかな曲に没入して聴くには向きませんが、自然な響き・バランスで繊細な表現が得意なためピアノソロ曲などは親和性が高く一聴の価値があると感じました。
音の刺激が抑えられており聴き疲れはしづらいため、何か作業をしながら長時間使用したい場合などには向いたイヤホンだと思います。

同社から販売されているCHUとはよく似た形状ですが、ケーブルコネクタ部分だけではなくシェルが若干大型です。
音のキャラクターも異なるため、リケーブルを可能とするアップグレードとしてはイメージが異なるかもしれません。