【レビュー】Shure SE535 Special Edition
- 2022.09.26
- SHURE
メーカー | Shure |
機種名 | SE535 Special Edition |
価格帯※ | 約5.5万円 |
このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。
スペック
イヤホンタイプ | カナル型 |
ドライバ | BA x 3 |
再生周波数帯域 | 18Hz〜19.5kHz |
感度(出力音圧レベル) | 119bB |
インピーダンス | 36Ω |
ジャック径 | 3.5mmアンバランス |
リケーブル | MMCX |
周波数特性
※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。
超高音 | 20kHz以上 |
高音 | 2kHz~20kHz |
中音 | 250Hz~5kHz |
低音 | 100Hz~300Hz |
重低音 | 50Hz~100Hz |
超低音 | 50Hz以下 |
イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。
女性ボーカル | 800Hz~900Hz |
男性ボーカル | 600Hz~700Hz |
ピアノ | 40Hz〜6kHz |
パイプオルガン | 16Hz〜10kHz |
ギター | 165Hz~1.3kHz |
バイオリン | 196Hz~2kHz |
チェロ | 65Hz~659Hz |
コントラバス | 49Hz~233Hz |
アルトサックス | 146Hz~880Hz |
テナーサックス | 110Hz~660Hz |
今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。
※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。
わずかに低音寄りのほぼフラットな傾向のイヤホンです。
音の傾向
※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。
高音 | 若干乾燥した印象の、鋭めの音です。 繊細な演奏の表現力に優れており、小音で微かに聞こえる音でも抑揚・強弱が聞き取りやすいと感じました。 管楽器や弦楽器による強めの演奏で若干の刺さりを感じます。 |
中音 | 明瞭でスッキリした音で、若干乾いた印象です。 音の詳細が聞き取りやすく、静かなボーカル曲ではボーカルの息遣いを感じることができました。 |
低音 | 締まりのあるシャープな低音です。 量感は自然で、必要十分に出ている印象です。 |
音場 音像 | 音像は近めに定位しますが、楽器の位置関係に立体感を感じます。 |
繊細さ 迫力 | 解像度が高く、強弱・抑揚などの繊細な表現がうまい様に感じました。 他のイヤホンではほとんど聞こえない小音の楽器の演奏が余韻を含めてしっかり聞き取れます。 自然な量の低音・自然なアタック感があります。 乾いた音色も相まってスピード感のあるメタルやロックとの親和性が高く、迫力を楽しむことができました。 |
使用感その他
※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
耳への収まりに優れた形状の小型イヤホンです。
樹脂製のシンプルなデザインの筐体で、高級感はありませんが安っぽさもありません。
呼び名の由来でもありますがシュア掛けでの装着を前提とした作りとなっており、装着中に動いても外れたりタッチノイズが大きすぎるということもありませんでした。
標準ケーブルはかなりしっかりした頑丈な物ですが、内部の針金で耳に固定するタイプのため装着感・取り回しの好みは分かれそうです。
一般的なイヤホンと比較して音道管が細いこともありシェルは外圧への強度が低く、ごろ寝使用中の脱落や誤って上に座ることによってシェルが修復不可能なレベルで破壊される事例を多く見かけるためご注意ください。
まとめ
スッキリしたバランスの良い音で、用途を選ばずに使えるイヤホンです。
強弱・抑揚の表現力が高い上、音が重なるシーンでの小さな演奏も余韻を含めて明瞭に聞き取ることができました。
若干乾いた音色のためソロ楽曲や小編成JAZZなどで艶感・色っぽさが少し足りない印象を受けましたが、繊細な演奏表現を聴き取りやすいため、どの様に楽しみたいのか…によりますがそういった楽曲との親和性も高いと思います。
発売開始から長期に渡って人気の機種のため中古市場に沢山出回っていますが、一部音域が出ないほど状態の悪い個体や偽物の流通も多い様なので専門店を通して購入するなどの自衛をお薦めします。
SE535 Special Editionにはチューニングの異なるSE535という兄弟機が存在しています。
SE535 Special Editionは乾燥した鋭どい高解像な音、SE535は潤い・艶のあるナチュラルな音…といった印象でキャラクターが異なります。
曲の細部まで集中してじっくり聴き込む用途ではSE535 Special Editionが、リラックスして音楽を楽しむ用途ではSE535が向いていると感じました。
SE425からのアップグレードを検討されている場合、音の傾向としてはSE535 Special EditionよりもSE535の方が近いと思います。
乗り換えか…併用か…で候補が変わってくると思いますが、試聴しての比較検討をおすすめします。
筐体の印字で見分けることはできませんが、カラー展開で差別化が図られているので以下をご参照ください。
・SE535 Special Edition:「レッド」
・SE535:「クリア」「メタリックブロンズ」
発売開始から長い機種ですが、購入に勇気のいる価格設定にもかかわらず長期に渡って人気を維持し続けるイヤホンです。
取扱店舗が多く試聴しやすい機種なので、定番機の高解像機をお探しの方は試聴してみてはいかがでしょうか。
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