【レビュー】Kinera TYR

【レビュー】Kinera TYR
メーカーKinera
機種名TYR
価格帯※約3千円
※購入店舗や購入時期により価格が異なるため、あくまでも参考情報としてご覧ください。

このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。

スペック

イヤホンタイプカナル型
ドライバDD(6mm)
再生周波数帯域20Hz〜20kHz
感度(出力音圧レベル)106bB
インピーダンス16Ω
ジャック径3.5mmアンバランス
リケーブル不可

周波数特性

※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。

周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。

超高音20kHz以上
高音2kHz~20kHz
中音250Hz~5kHz
低音100Hz~300Hz
重低音50Hz~100Hz
超低音50Hz以下
※人間の可聴域:20Hz~20kHz

イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。

女性ボーカル800Hz~900Hz
男性ボーカル600Hz~700Hz
ピアノ40Hz〜6kHz
パイプオルガン16Hz〜10kHz
ギター165Hz~1.3kHz
バイオリン196Hz~2kHz
チェロ65Hz~659Hz
コントラバス49Hz~233Hz
アルトサックス146Hz~880Hz
テナーサックス110Hz~660Hz

今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。

※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。

低域側の50Hz付近と高域側の2.8kHz付近にピークのあるドンシャリ傾向のイヤホンです。

音の傾向

※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。

高音パワフル・エネルギッシュで太い印象の音です。
伸び伸びと出ており煌めきの表現が良好ですが、刺さりや掠れを感じることがあります。
中音高域・低域の勢いに潰されない、太く明瞭な中域です。
低音非常にパワフルで、且つ明瞭な音です。
他の音域よりもひときわ響きの表現に優れており、チェロやパイプオルガンのソロ曲では壁や床の反響を生々しく感じることができました。
音場
音像
高域から低域まで全体的によく響き空間を感じることができますが、音像は密集しておりかなり近くに感じます。
繊細さ
迫力
音が太く解像度も高いため、埋もれがちなパート・楽器も明瞭に聞き取ることができます。
音が明るく元気でハキハキしているため、迫力やノリを楽しむのに向いていると感じました。
その反面心細さや物悲しさを奏でる静かな曲も、優しさ・しっとりとした暖かさとして表現されるため、繊細な感情表現を主とした楽曲を聴く際には注意が必要です。

使用感その他

※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

小型・軽量で円柱筐体なので、装着感は良好です。
金属製ですがとても軽く、実際の強度はわかりませんがかなり華奢な印象を受けました。
小型のドライバを強力に駆動させるために磁力の強い磁石を使用しているのか、または小型軽量化するために磁力対策を行なっていないためか不明ですが、左右のユニットが吸着(反発)するのが明確にわかるほど筐体の磁力が強いです。
腕時計などの磁力に弱い機器と一緒にしまわない様ご注意ください。
表面にやや抵抗のある太めのケーブルでタッチノイズが大きめなので、シュア掛けでの利用がおすすめです。

まとめ

磁力が強く保管や持ち運びに注意が必要ですが、価格からは考えられないほど音のレベルが高いと感じました。
同価格帯のFinal E1000や水月雨 Quarks等がライバルになってくると思いますが、キャラクターが異なっており明確に棲みわけられていると思います。
日本での取扱店舗が少ないメーカーではありますが、明るく元気な音楽を楽しみたい方にはおすすめのイヤホンです。