【レビュー】Final ももクロ×finalコラボ 杏果チューニングイヤホン
- 2022.09.11
- Final

メーカー | Final |
機種名 | ももクロ×finalコラボ 杏果チューニングイヤホン |
価格帯※ | 約9千円(メーカー終売品) |
このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。
スペック
イヤホンタイプ | カナル型 |
ドライバ | DD(6.4mm) |
再生周波数帯域 | 公開情報なし |
感度(出力音圧レベル) | 100bB |
インピーダンス | 16Ω |
ジャック径 | 3.5mmアンバランス |
リケーブル | 不可 |
周波数特性
※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。
超高音 | 20kHz以上 |
高音 | 2kHz~20kHz |
中音 | 250Hz~5kHz |
低音 | 100Hz~300Hz |
重低音 | 50Hz~100Hz |
超低音 | 50Hz以下 |
イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。
女性ボーカル | 800Hz~900Hz |
男性ボーカル | 600Hz~700Hz |
ピアノ | 40Hz〜6kHz |
パイプオルガン | 16Hz〜10kHz |
ギター | 165Hz~1.3kHz |
バイオリン | 196Hz~2kHz |
チェロ | 65Hz~659Hz |
コントラバス | 49Hz~233Hz |
アルトサックス | 146Hz~880Hz |
テナーサックス | 110Hz~660Hz |
今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。
※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。

低域側の40Hz付近にピークのある、低域寄りのイヤホンです。
音の傾向
※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。
高音 | 自然な響きがあり、音痩せや抜けの悪さは感じませんが、かなりおとなしい音です。 バイオリンの演奏など問題なく聴けるバランスですが、楽器の筐体から発せられる高域ノイズなどが再現されないため、ソロ演奏の楽曲ではあまり臨場感が感じられませんでした。 またパイプオルガンは高域までしっかり出ているものの煌めきがあまり感じられず、物足りなく思いました。 |
中音 | 自然な響きで、若干丸みのある中域です。 ベースやバスドラムの強い楽曲では存在感が負ける場合もありますが、ボーカルは潰れることなくしっかり聞き取ることができます。 |
低音 | アタック感はそこまで強くありませんが、ボワつきのないしっかりした低域です。 ベースの主張が強く出るためメタルやロックの聞き応えはなかなかのものでした。 |
音場 音像 | 音像はかなり近く、楽器は密集しています。 平面的で楽器間の境界は曖昧ですが、響きは自然で音場の狭さは感じませんでした。 |
繊細さ 迫力 | よく聴くとしっかりした解像度で鳴っていますが、高域がかなりおとなしいため楽曲によっては解像度が低い様に感じることがありました。 アタック感はそこまで強くないものの、強力な低域に包まれるような迫力を楽しむことができます。 |
使用感その他
※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
小さく軽量で、とてもシンプルなデザインです。
鏡面仕上げのステンレス製の筐体で、ビルドクオリティも高いため安っぽさはありません。
小型で円筒状の筐体なので、耳の奥にグイグイ押し込んでしっかり固定して装着できます。
耳から垂らしてもシェアがけでも利用可能なので、好みのスタイルで使用することができます。
シンプルな形状の弊害として左右の違いが形から判断することはできません。
ケーブルはとても柔らかく癖もつきづらく、とても扱いやすいものです。
表面はサラサラしており衣服への引っかかりはほとんどなく、タッチノイズは少なめです。
まとめ
高域がかなり大人しいので繊細な表現が苦手な印象で、小編成よりも大編成、生演奏よりも打ち込み系の楽曲の方が得意な様に感じました。
音域のバランスが極端なので万能に使用できるイヤホンではなく、用途が明確で意図して選ぶタイプのイヤホンだと思いました。
低域に埋もれて楽しみたい方には選択の候補になると思います。
見た目はよく似ていますが、フラットな周波数特性で万能に使用できるE3000とは全くの別物です。
E3000を気に入ってグレードアップとして購入するべきイヤホンではないのでご注意ください。
終売済みの期間限定販売商品ですが、特徴的な音のためかフリマサイトやオークションサイトで使用頻度の少ない個体が流通しているのを見かけることがあるので、お探しの方は覗いてみてください。
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