【レビュー】Final E3000-T(いぶし銀)
- 2022.09.11
- Final
メーカー | Final |
機種名 | E3000-T(いぶし銀) |
価格帯※ | T25:約2.1万円(メーカー終売品) T35:約2万円(メーカー終売品) |
このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。
スペック
イヤホンタイプ | カナル型 |
ドライバ | DD(6.4mm) |
再生周波数帯域 | 公開情報なし |
感度(出力音圧レベル) | 100bB |
インピーダンス | 16Ω |
ジャック径 | T25:2.5mmバランス T35:3.5mmアンバランス |
リケーブル | 不可 |
周波数特性
※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。
超高音 | 20kHz以上 |
高音 | 2kHz~20kHz |
中音 | 250Hz~5kHz |
低音 | 100Hz~300Hz |
重低音 | 50Hz~100Hz |
超低音 | 50Hz以下 |
イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。
女性ボーカル | 800Hz~900Hz |
男性ボーカル | 600Hz~700Hz |
ピアノ | 40Hz〜6kHz |
パイプオルガン | 16Hz〜10kHz |
ギター | 165Hz~1.3kHz |
バイオリン | 196Hz~2kHz |
チェロ | 65Hz~659Hz |
コントラバス | 49Hz~233Hz |
アルトサックス | 146Hz~880Hz |
テナーサックス | 110Hz~660Hz |
今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。
※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。
※この記事ではT25にてレビューを行なっていますが、他のイヤホンと条件を揃えるため6.3mmプラグに変換してアンバランスにて確認しています。
低域側の70Hz付近から10kHz付近にかけてなだらかに下がっている、概ねフラットでやや低域寄りのイヤホンです。
音の傾向
※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。
※この記事ではT25にてレビューを行なっていますが、他のイヤホンと条件を揃えるため6.3mmプラグに変換してアンバランスにて確認しています。
高音 | 透明感がある抜けの良い高域です。 響きは自然で音の痩せはなく、煌めきも表現しますが刺さりはほとんど感じませんでした。 |
中音 | 透明感のある明瞭な音です。 特別ボーカルが前に出ているわけでもありませんが、スッキリしておりかなり聞き取りやすいです。 |
低音 | 明瞭でボワつきのない、締まりのある低域です。 量は過不足のないバランスで、自然に鳴っている印象です。 |
音場 音像 | 音像は全体的にかなり近く、楽器が前後に配置されているような立体感は感じませんが、楽器ごとの音像は混ざらずくっきりしています。 |
繊細さ 迫力 | 高域から低域まで総じて解像度が高く、繊細な感情表現もしっかり再現している様に感じました。 ボーカルの呼吸音やリップノイズも聞き取ることができ、静かなボーカル曲では高い臨場感が楽しめました。 アタック感や低域の量感が自然な感じなので、迫力を求めて使用するイヤホンではないと思います。 |
使用感その他
※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
小さく軽量で、とてもシンプルなデザインです。
鏡面仕上げのステンレス製の筐体で、ビルドクオリティも高いため安っぽさはありません。
小型で円筒状の筐体なので、耳の奥にグイグイ押し込んでしっかり固定して装着できます。
耳から垂らしてもシェアがけでも利用可能なので、好みのスタイルで使用することができます。
シンプルな形状の弊害として左右の違いが形から判断することはできません。
硬くて癖のつきやすいケーブルですが、かなりしっかりしているので断線の不安はほとんどないと思います。
タッチノイズはハッキリ出るためシュア掛けでの利用がおすすめですが、癖のつきやすいケーブルのためイヤホンの状態を維持したい方はご注意ください。
まとめ
透明感のある解像度の高い音で、高域から低域までバランス良く鳴る万能に使えるイヤホンだと感じました。
音が重なっても潰れずしっかり再現するので賑やかな楽曲にも向いていますが、細やかな表現力に優れているので静かな曲でも抜群の親和性を発揮します。
ケーブル違いの通常版E3000の4倍弱の価格設定ですが、抜けが良くクリアで高解像なE3000-Tは価格と音のバランスに優れていると思います。
E5000の初期ケーブルと同じためか、通常版E3000よりもE5000の音に近いと感じました。
E5000は感度が低いため再生環境を選ぶので、扱いやすさの面でE3000-Tの存在意義は高いと思います。
E3000-TはT25・T35それぞれ100台ずつしか販売されておらず、中古市場でもなかなか見かけません。
ご興味のある方は事前に予算を確保しておき、見かけたら迷わず購入する準備をしておくことをおすすめします。
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