【レビュー】Final Adagio V
- 2022.08.27
- Final
メーカー | Final |
機種名 | Adagio V |
価格帯※ | 価格帯:約1.3万千円(メーカー終売品) |
このサイトではイヤホンの周波数特性を計測し、実際に使用して感じた音の傾向をご紹介しています。
購入を検討している機種や気になるメーカーなどありましたら、ご参考にしていただければ幸いです。
スペック
イヤホンタイプ | カナル型 |
ドライバ | DD(8mm) |
再生周波数帯域 | 公開情報なし |
感度(出力音圧レベル) | 100bB |
インピーダンス | 16Ω |
ジャック径 | 3.5mmアンバランス |
リケーブル | 不可 |
周波数特性
※周波数特性は当該サイトにて実機を測定したものになりますが、当該製品の周波数特性を保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
周波数特性を確認することで、イヤホンの音の傾向を把握することができます。
音域ごとの周波数は以下の通りです。
超高音 | 20kHz以上 |
高音 | 2kHz~20kHz |
中音 | 250Hz~5kHz |
低音 | 100Hz~300Hz |
重低音 | 50Hz~100Hz |
超低音 | 50Hz以下 |
イヤホンが得意とする音域を把握することで、音源とイヤホンの最適な組み合わせを模索することができます。
各音源の大まかな周波数帯域は以下の通りです。
女性ボーカル | 800Hz~900Hz |
男性ボーカル | 600Hz~700Hz |
ピアノ | 40Hz〜6kHz |
パイプオルガン | 16Hz〜10kHz |
ギター | 165Hz~1.3kHz |
バイオリン | 196Hz~2kHz |
チェロ | 65Hz~659Hz |
コントラバス | 49Hz~233Hz |
アルトサックス | 146Hz~880Hz |
テナーサックス | 110Hz~660Hz |
今回イヤホンの周波数特性を計測したところ以下のようになりました。
※測定環境の都合でイヤホンのスペックに関係なく高音は20kHzまでとなります。
※計測環境が異なるため、メーカーから公開されている周波数特性と異なる場合があります。
低域の40Hz付近と高域の3.5kHz・6kHz付近にピークのあるドンシャリ傾向のイヤホンです。
音の傾向
※音の傾向を実機にて評価していますが、全ての使用者にとって同じ評価となることを保証するものではありません。あくまでも参考情報としてご覧ください。
イヤホンを購入される際には、可能であれば実機での事前試聴を推奨します。
また、各ECサイトやブログなどのレビュー・評判などもご参考にされることをオススメします。
高音 | 響きの表現に優れた抜けの良い高域です。 クリアで鋭い音色は高域の高い表現力を感じますが、刺激が強く耳への負荷が大きいと感じました。 長所・短所が表裏一体で、苦手な方には苦痛を伴いますが、高音好きにはたまらないと思います。 |
中音 | 透明感・解像度の高い音で、ボーカルの存在感は強いです。 鋭さがあり、女性ボーカルの楽曲では耳への負担が大きいと感じました。 ボーカル曲では問題は発生しませんでしたが、動画視聴時に一部女性のセリフにて筐体が共鳴して音声が2重に聞こえるシーンがありました。 |
低音 | 高域の主張に対しておとなしいですが、深い低域まで無理なくしっかり鳴ります。 明瞭でボワつきはなく、しっかりアタック感があります。 |
音場 音像 | 音像はかなり近くに密集して定位します。 響き・残響音が良好で、少ない編成の楽曲でもスカスカ感を感じません。 |
繊細さ 迫力 | 全体的に解像度の高いイヤホンですが、高域は頭一つ抜けてクッキリしています。 高い解像度と響きにより、特にソロや小編成の楽曲では楽器の再現性・生々しさが飛び抜けていると感じました。 アタック感・沈み込み表現がしっかりしており、ややバランスが控えめながらスケール感を感じられる低域で迫力を楽しむことができます。ただし高域の刺激が強いため迫力を求める用途では耳への負担が大きい点に注意が必要です。 |
使用感その他
※使用感は個人の主観となりますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
ずんぐりした金属製のシェルで、装着中には重みを感じました。
筐体の音道管側に膨らみがあり耳道に深く挿して装着することができないため、重量があることもあり脱落しやすので動きながらの使用には向きません。
表面のツルツルした細めのケーブルで、タッチノイズがそれなりに出るため気になる方はシュア掛けでの利用がおすすめです。
まとめ
高域の刺激が強く長時間の使用には向きませんが、楽器の艶表現が抜群に優れており、ソロ演奏や小編成のJazzでは他のイヤホンよりも生々しさを楽しむことができました。
同シリーズの下位機種、Adagio IIとAdagio IIIはそっくりな外観で装着感も変わりませんが、本機のみ形状・材質が異なり一回り大きいこともあって装着感がかなり異なります。
また同シリーズの3機種はよく似た周波数特性ですが、同シリーズなのが不思議なほど音質が異なっています。
下位機種の音質が気に入ってグレードアップを考えてこの機種が気になっている方はご注意ください。
終売品のうえあまり中古を見かけない機種ではありますが、高音好きで刺さり耐性の強い方には他の機種にはない満足感が得られると思います。
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